男根期にある女児の男根羨望
男女の性差を自認し始める男根期のエディプスコンプレックスでは、女児のほうは『男根羨望』を感じることがあるが、男児は『去勢不安』を感じるのだ。男根羨望というのは自分の身体に男根が無いと気づいた女児が、男性優位社会における指導力や権力のメタファーである『男根』に反感、羨望や劣等感を覚えるというものであるが、この男根羨望の発想概念は、S.フロイトが生きていた19世紀ヨーロッパの男性中心主義の影響をかなり受けている。S.フロイトのリビドー発達論では、精神発達が停滞して各発達段階への『リビドーの退行固着』が起こることで、思考行動パターンや特徴的な性格傾向が決定されてくると考える。